老人性うつ病はなぜ怒りっぽくなるのか?
老人性うつ病、最近いろいろと話題になってますね。
また、先日書いた老人性うつ病と認知症の実際は?自殺者も!と被りますが…。
老人性うつ病は、認知症とよく間違われるというか、似た症状を引き起こすので、判断する側も大変なのだとか…。
今日は、この老人性うつ病の症状の中でも、怒りっぽくなるという症状について見ていきたいと思います。
高齢化社会
うつ病は、あらゆる年代にみられます。
最近は、高齢化がどんどん進んでいます。
それに伴って、65歳以上の年齢層でのうつ病患者さんが増えています。
ちょっと話はズレますが、今の日本での人口の現状は、こうなっていますという話です…。
現在(2016年10月1日)、65歳以上の高齢者人口は、過去最高の3,300万人と言われています。なんと、総人口の約26%にもなるんですね。
まだ、先の話ですが、2060年には、総人口が減少するなかで高齢化は上昇し、およそ2.5人に1人が65歳以上で、実に全体の39.9%にもなる予想です。
75歳以上の数字も出ていますが、75歳以上の人口が総人口の26.9%にもなります。
総人口がその時に、12,660万人と言われていますから、相当高い数字だと思います。
その頃には、わたしも生きているかわかりませんが…。
若い人も、この数字だけは、抑えておいた方が良いと思います。
今の年金問題、そして医療費、健康保険などなど、高齢化社会に関する問題は山積みですね。
で、何を言いたいかというと、高齢者の増加とともに、認知症問題、そして、今日のタイトルである、老人性うつ病、老年期うつ病問題が、今以上に出てくるでしょうと言うことです。
老人性うつ病の症状
先に挙げた内容で、老齢化に関しては理解頂けたと思います。
それで、本日のタイトルの「老人性うつ病はなぜ怒りっぽくなるのか?」ですが(ちょっとだけ無理があるような気がしますが汗)
高齢化に伴い、問題になってくるのは、年金問題はもちろんですが、医療問題も大きな問題ではないでしょうか?
年齢が高くなるにつれて、気になるのが認知症ですね。そして、もうひとつ、老人性うつ病、老年期うつ病と呼ばれるうつ病に関した問題です。
うつ病と言うと、若い人にも多い病気ですが、老年期にも多々拘わってくる病気です。
認知症とよく似た症状を現すことが多いようです。
一応症状をあげておきますね。
うつの主な症状
うつ病には、下記のような症状が現れます。
- 強いうつ気分
- 興味や喜びの喪失
- 食欲の障害
- 睡眠の障害
- 精神運動の障害(制止または焦燥)
- 疲れやすさ、気力の減退
- 強い罪責観
- 思考力や集中力の低下
- 死への思い
うつの症状としては、大きく分けて上記9つがあげられます。
細かく分けるともっと多いのですが、ここでは、一応基本の症状と言うことで、9つを紹介させて頂きました。
それと特に高齢者のうつ病の症状として出てくるものが、わかりやすくあげると下記にあるようなものです。
身体症状
・睡眠障害、食欲不振、痛みや息苦しさ、のぼせ、手足のしびれなど。
※特にこれといった、身体的な異状というものが見つからない事も多い。
意欲・行動障害
・身体の動きが遅くなったり、口数が少なくなったり、声が小さくなったりする。
・何かをする意欲も湧かず、身の回りの基本的な(お風呂に入る、食事を摂る、歯を磨くなど)生活活動でさえ、できなくなっていく。
思考障害
・過度に悲観的な考えばかりが浮かび、発想の転換ができなくなる。
・理解力、判断力、集中力などが低下したり、死にたいという気持ちがみられたりすることもある。
抑うつ気分
・この抑うつ気分というのが、うつ病の核になる部分です。
※抑うつ気分とは、気分が落ち込む、何事にもやる気が起きない、憂うつ、頭が働かない、わけもなく涙が出てくる、イライラして怒るなど、これらが長期に渡るようであれば、老年期うつ病、老人性うつ病とみても良いと思います。
もっと分かりやすくすると…。
- 物覚えが悪くなった
- 物忘れが増えた
- 意欲が低下する
- 集中力が続かない
- 原因がハッキリしない身体の不調がある
- 寝付けない、眠りが浅い、朝早く目覚める
- 食欲がなく痩せてきた
- 以前に比べて口数がすごく少なくなった
- 些細なことでも心配して不安の訴える
- 死をほのめかす言動がある
- 家に閉じこもって好きな事もしなくなった
- 急にだらしなくなって、お酒ばかり飲んでいたりする
- イライラしがちで怒ったり、泣いたりする
こんな感じです。
典型的なうつ病としての診断基準
うつ病としての診断基準は、DSMというのが一般的ですね。
このDSM、正式名称をDiagnostic and Statistical Manual of Megtal Disordersと言います。
アメリカ精神医学界が発表している診断基準になります。これが、世界の標準基準でしょうね。
では、DSMとはどんなものでしょうか?
9つの検査項目を見てみましょう。
- ほとんど毎日、1日中抑うつ気分が続いている。
- ほとんど毎日、1日中何にも興味が持てなくて、また喜びも感じない。
- 食欲が全然なくて痩せてきているか、また逆にすごく食欲が増して体重も増えてきた。
- ほとんど毎日、眠れない事が多い。また反対に眠りすぎる。
- ほとんど毎日、イライラして仕方ない。反対に何もする気が起きずにボーッとしていることが多い。
- すごく疲れやすく、気力が全然わかない。
- いつも自分を責めている。「自分はどうしようも無い人間だ」と感じることが多いし、「悪いのは全部自分」と過剰な自責の念をもって生活している。
- 考えがあっちこっちへいって、集中力、決断力が落ちているのが自分でも分かる。
- 自殺をよく考える。それも、何度も…。
こんな感じの9項目です。
この9項目中、1と2の項目を含めて、5つ以上当てはまり、その状態が2週間以上続いて、生活に支障を来すようであれば、うつ病の疑いがあるとみます。
ちょっと、テスト的に楽な気持ちでやってみると良いかもしれません。
わたしは、初めてこのテストを受けたとき、全部に完全に嵌まっていました。
まあ、今でも当てはまるものが多いんですけれど…。
老人性うつ病特有の症状
うつの症状として、先に挙げたものもそうですが、落ち込んで悲観的になることは、一般的にすごく多いですよね。
「精神運動抑止」という症状があります。
これは、脳がちゃんと働かなくなってしまって、考えがまとまらなくなる状態です。
その状況にある本人は、自分の頭が悪くなったように感じ、仕事や生活の上での能力も低下してしまいます。
もちろん、仕事をしている人は、仕事の能率が落ちるとリストラなどの心配が出てきますよね。
実は、わたしもこれになった口です。
本当に自分がバカになってしまったと思うんです。
決して頭が良いわけではありませんが、頭が働かなくなってしまって、何にもできなくなるんです。
仕事にも大いに支障が出てきました。
なので、やむなく休職、そして入院を選んだのですが、退院してからもこれには悩まされました。
なので、仕方なく会社を辞めることにしました。
本当は、辞めたくなかったのですが…。
やはり、自分の中でもう無理と思ったのと、これ以上、迷惑をかけられない。
そう思ってしまったのですね。
でも、今では辞めなければ良かったと、後悔しています。
うつ病になったら、人生を左右するような、大事な決断はしないのが良いらしいです。
イライラしてじっとしていられない
うつになって、多弁になる人、イライラする人は、結構な割合で多いです。
この原因は、不安・焦燥感これが強くていてもたってもいられない、じっとしていると不安でソワソワしてしまうといった状態になるからです。
これを「精神運動興奮」と言います。
これも確実に、脳の病気なんですね。
年齢が高くなると、感情のコントロールといったような、高度で知的な活動を司る脳の前頭葉が縮んできて、若い頃よりも短気になる方が多いようです。
興奮している状態のときに、うつ病の薬で症状が治まるということが多々あるので、やはり背景にはうつ病が関連しているのでしょうね。
ただ、この時に一番心配なのが、自殺です。
イライラ、ソワソワの時に、突発的に自殺する方が多いみたいです。
家族の方は、心配ですね。
わたしが自殺を考えたときは、本当に落ちていたときでした。ただ、死ぬ勇気が無かっただけなんですけどね。
でも、もう死ぬしか無いと考えていたときは多かったですし、実行寸前で止めたことが何回か…。
重度のうつ病から、少しずつ改善されていくと、元気が出てくるので、そんな時の自殺も多いです。
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動悸、息切れ、不眠、食欲不振
うつ病の症状には、動悸、息切れといった自律神経系の症状が出ることもあります。
その中でも、不眠と食欲不振が特有のものになるかもしれませんね。
不眠に関しては、一般的な不眠症と、うつ病の不眠とは、ちょっと違います。
一般的な、不眠症は、寝付きが悪く、夜中の2時3時まで寝られず無いけれど、一度寝ると昼くらいまで起きられない状態が多いです。
うつ病の場合は、早朝覚醒というのがあって、これは、本当に早朝、朝の4時とか5時とかに目が覚めてしまうのです。
もちろん、老年期に入ると自然に、早寝早起きになってくるのが普通なのでしょうが、またうつ病のものとは、ちょっと違うんですね。
早朝覚醒は、朝早く目を覚ます他に、夜中に何度も目を覚ますことも多いです。
わたしは、未だにこの早朝覚醒や中途覚醒に苦しんでいます。
睡眠薬もきちんと飲んでいるのですが、ダメですね。
どんなに遅くに寝ても、必ず5時頃に目が覚めてしまいます。
最近は習慣なのですが、5時近くに目覚めると、一旦2階からダイニングに行って、コーヒーを淹れます。
そして、部屋に戻って何か作業をしようとすると、急に眠気が襲ってきて、また寝てしまい、結局は昼くらいまで寝ちゃいます。
最近では、これが本当に悩みの種です。
非現実的な妄想
どんな人でも、必ず年を取りますよね。そして、頑固になります。
不思議なのですが、そうなんですね。
わたしの父もそうですが、母も結構なものです。
まあわたしも、その血を引いているので、かなり頑固者なのだと思いますが…。
これは、前頭葉の老化によるものなんですね。早い人では、もう40代から始まるようですよ。
非現実的な妄想が多い場合は、うつの症状だと考えられます。そう、被害妄想もこの一種ですね。
他にもうつ病の三大妄想と呼ばれているものがあります。「心気妄想」「罪業妄想」「貧困妄想」の3つです。
心気妄想は、病気でも無いのに自分がなんらかの病気だと思い込むものです。極端な場合、自分はガンだとか、不治の病にかかっているなど…。
罪業妄想は、自分が全て悪いと思ってしまうものです。「会社や家族に迷惑をかけて申し訳ない」とか…。
誰も迷惑に思ってないと言っても、修正できないことも…。
症状が重くなると、周りで起きたこと全てに自分に責任があるとと思いだし、自分は罰せられなければいけないなどと考えてしまいます。
そして、貧困妄想は、本当は貯蓄がある程度あるのにも拘わらず、「お金が全然ない」「仕事をクビにされてホームレスになるのでは」とか、お金の心配が頭から離れられなくなるのですね。
どれをとっても、全て妄想です。
夕方から調子が悪くなる
一般的なうつ病は、午前中が調子悪くて、午後や夕方になると調子よくなるのが特徴ですが、高齢者の場合は、夕方から夜にかけて調子が悪くなる人が多いようです。
夕暮れ症候群などとも呼ばれます。
なので、高齢者が夕方から落ち着かなくなる、言動がおかしくなるなどなったら、注意が必要です。
でも、これ、実は認知症にもよく見られる症状でもあるので、見分けるのは素人では、難しいかもしれませんね。
身体の不調
以前にも書きましたが、わたしは、腰痛からうつ病が分かりました。
老人性うつ病に関しても、腰が痛い、動悸がする、気の調子が悪い、などといった、体の症状を訴えることが多々あります。
その専門医の検査をして貰って、もし異状が無いようであれば、うつ病の薬を試すのも良いと思います。
いろんな先生から、言われました。
うつ病が良くなれば、腰痛は治るからと…。
今、わたし、うつ病の薬を飲んでいます。
腰痛の薬は、必要ありません。
記憶力の低下
高齢者のうつに関しては、記憶力の低下が起きやすいといわれています。でもこれ、高齢者だけじゃないと思います。
わたしも実際に記憶力が落ちてきたのと、記憶が飛ぶ事がたまにあります。
判断力や、注意力も確実に落ちます。
これは、たぶん薬の副作用もあるのではと思っていますが…。
高齢者のうつ病の場合、記憶障害、意欲低下が目立つので、認知症ととられる方が多いです。
で、もしうつ病なのに、認知症の治療をしていても、一向に良くなるばかりか、うつ病が進みどんどん症状が悪くなっていくことが多いようです。
認知症とうつ病の違い、難しいところだとは思いますが、今まで見て頂いた事を頭に入れておいて頂ければ、少しは認知症と老人性うつ病との違いについて、少しは分かって頂けると思いますので、当てはまる部分があれば、ぜひ早めに精神科へ行かれた方が良いと思います。
独り言
少し話が、また離れてしまった部分もありますが、本日のタイトル、老人性うつ病はなぜ怒りっぽくなるのか?を書いてみました。
いろいろと勉強していくと、うつ病に関しての全体的な人数、そして65歳以上の方のうつ病ってこんなに多いんだとビックリしました。
それと、自殺者の数…。
わたしは、いま50代ですから、まだ死ねないと思っています。孫も3人できました。
孫の結婚式を見るまではと思っています。
ただ、これがもし65歳以上、いや75歳であった場合、もう先の事は考えなくなるような気がします。
それに、年を取る毎に罪悪感に悩まされるような気がします。
これも認知の歪みなのですが、これ以上生きていて良いのか、年を取るごとに、自分が何もできなくなっていく…。
きっと悩みますね。
人に迷惑をかけるのは、嫌ですからね。
特に娘たちには、もう迷惑はかけられません。
今は、少しでも、昔娘たちにしてやれなかったことを、今は孫にしてやりたい、そう思ってます。
まあ、自分のできる範囲でしかできませんが。